田舎生活(1) 新車購入

 福島に来てすでに22年経っており,すっかり福島人になっています。22年前の夏,福島に引っ越して,翌日自転車に乗って2時間もかからないうちに,福島市の中心市街地を1周してしまい,本当に田舎に来た!と感動(?)したことは鮮明に覚えています。いま出張などで時々東京に行くと,密集した市街地とどこでも人が混んでいる街にはとても落ち着けず,たまには不安を感じてしまい,いつも用事が済んだらすぐ福島に帰っています。

 のどかな田舎での生活は結構楽しいですが,たまには不便なことも遭遇します。

 18年前初めて車の運転免許を取得し,新車を購入することにしました。子供を連れて家族3人そろって,まずH社の販売店に行きました。その店の担当者が結構親切で,ちょうど小雨が降っているので,わざと傘を持って店外まで迎えてくれました。けれど,新しい車を買いたいので,見積作成を依頼したところ,その担当者はすでにうちが日本人ではないことがわかって,外国人には販売できるかを確認しておかなければ見積書を作成できないと言って,見積を断りました。こちらは他の友達が結構新車を買っているので,外国人でも問題がないはずと説明しても,信じてくれませんでした。結局そのまま店を出ました。

 隣には日産系の販売店があるので,その店に入りました。店の若い担当者からこちらの希望をいろいろと聞かれて,また希望車種の車も試乗したあと,見積書を作成してもらいました。午後4時ころ店を出て,5時前に帰宅しました。6時にその販売店の店長がうちの玄関に立って,あいさつに来ました。一部のオプションを無料にしたりさらなる値引きを提示したりしたうえ,車の詳細も丁寧に説明してくださいました。この店長の熱意に負けて,翌日に購入契約に印鑑を押しました。

 その車は10年ほど乗ってから,年に1回程度不具合が発生するし,自動車税もかなり高くなっていたため,12年目で廃車して,すぐ別の車を購入することを検討しはじめました。そのとき,トヨタのアクアとH社のF車が小型ハイブリッド車で一番人気なので,この2つに絞って販売店を回ることにしました。

 12年前見積を断られたあのH社の販売店にはもう行く必要がないので,H社の別の販売店に行きました。簡単なアンケートを取らせられたあと,担当者にはF車を買いたいので見積書作成を依頼したところ,その方はすぐチラシを持ち出して,F車がすぐモデルチェンジを行うので,一つ前のモデルが格安で売っていることを説明してくれました。そのモデルは少し安いかもしれませんが,購入可能な色はあまり好きではなかったです。少し高くてもよいので,好きな色で新しいモデルの見積書を依頼しました。しばらくして,その担当者は見積書を持ってきました。見積書を読むとチラシに掲載された旧モデルの車でした。新しいモデルを希望していることをもう一度説明しても,その担当者は「あんたは新しいモデルを買うお金があるの?」というような顔で,返事もなかったし,動きもなかったです。結局少なくとも福島にあるH社の2つの販売店は日本人にしか新しい車を売らないようです。

 次にトヨタの販売店に行ったらすごくよかったです。店に入るとき結構お客さんが多く,担当者が手を回らなかったですが,5分も待っていないうちに,私とほぼ同年齢の方が来られて,世間話をするようにしばらく雑談すると,こちらがアクアを購入したいことをすでに理解し,詳細な仕様と必要なオプションを勧めてくれました。こちらの好きな色や希望しているオプションを伝えたら,わずかな数分程度で別の担当者が見積書を持ってきました。こちらが見積書を読んでいるところ,店長があいさつに来られて,店長の特別値引きを提示してくれました。販売担当者は言葉が少なくすごく聞き上手で,お客さんの思っていることをよく理解できることにはとても感心しました。12年前と同じ,翌日に購入契約に印鑑を押しました。

 大手自動車の販売店で系列により外国人に対する扱い方は結構異なり,会社の方針か田舎の販売店では社員教育が足りないか,よくわかりません。